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ASTM規格とは?特徴・種類・取得メリットをわかりやすく解説

■ ASTM規格
今回は、ASTM規格についてです。ASTM規格は、アメリカ材料試験協会(ASTM International)が策定する、材料や製品、システム、サービスの品質や性能を評価するための標準規格です。ASTM Internationalは、世界的に認められている非営利団体で、技術や製造業を支える試験方法や基準の作成に携わっています。

■ MILとASTMの違い
前回掲載の、MIL規格と共に特殊工程として扱われております。MIL規格とASTM規格の違いを簡単に示しますと以下の表となります。

項目MIL規格ASTM規格
策定主体アメリカ国防総省アメリカ材料試験協会(民間団体)
目的軍事・防衛用途商業・産業用途
適用分野軍事、航空宇宙、通信機器など建築、医療、消費財、エネルギーなど
試験基準極限環境や耐久性重視材料や製品の特性試験
採用方法軍事契約において必須民間や業界での任意採用

・適用範囲の違い
MIL規格は軍事や航空宇宙用途に特化しているのに対し、ASTM規格はより広範な産業分野での利用を想定しています。

・品質管理と信頼性
MIL規格は特に高信頼性が求められる防衛用途向けに厳格な基準を設定しているため、特定の条件での信頼性試験などが細かく規定されています。ASTMも同様に品質基準が高く、多様な環境での耐久性や性能を重視します。

■ 特徴と違い
<<MIL規格>>
・正式名称: 米軍規格(Military Standards)またはMIL-STD。
・目的:主にアメリカ国防総省が定めた軍用目的の製品や材料の品質、性能、耐久性を保証するための規格。軍事関連の装備、機器、インフラなどの信頼性を高めるために策定されています。
・厳格な基準: 過酷な環境下での耐久性(高温、低温、衝撃、振動、湿気、塩害など)を重視。
・用途: 軍事、航空宇宙、通信機器など、信頼性が最優先される分野。
例: MIL-STD-810(環境耐性試験)、MIL-STD-461(電磁波干渉試験)など。
・適用範囲: 軍事用途が主ですが、民生品の高性能製品にも活用されることがあります。

<<ASTM規格>>
・正式名称: アメリカ材料試験協会規格(American Society for Testing and Materials S tandards)。
・目的:材料、製品、システムの特性や性能を評価・試験するための標準化を提供します。
・幅広い分野: 建築、土木工学、石油化学、医療機器、消費財など、多岐にわたる分野をカバーします。
・柔軟な採用: 必ずしも法的拘束力を持たず、民間企業や業界で自主的に採用されます。
例: ASTM D638(プラスチックの引張試験)、ASTM C33(コンクリート骨材の規格)など。適用範囲: 民間製品や商業用途が主。

■ ASTM規格のめっきにおける主な目的
・品質管理: めっき層の厚さ、均一性、密着性、耐食性を評価。
・材料の適合性: めっきに使用する金属や基材の特性を定義。
・試験方法の標準化: めっき層の特性を試験・評価するための方法を規定。
・性能基準の明確化: 使用条件に応じためっきの耐久性や耐環境性の基準を設定。

■ めっき関連の主なASTM規格
以下は、めっき技術に関連する代表的なASTM規格の例です。

1.めっき層の試験方法
・ASTM B487:めっき層の厚さを断面顕微鏡法で測定する方法。
・ASTM B568:X線分光法によるめっき層の厚さ測定方法。
・ASTM B571:めっき層の密着性を評価するための試験方法。
・ASTM B137:電気めっき層の厚さをストリッピング法で測定する方法。

2. めっき材料の規格
・ASTM B32:はんだ用合金の標準規格。めっきで使用する場合の特性も含む。
・ASTM B99:めっき用亜鉛線の仕様。
・ASTM B700:光学用途の銀めっきの仕様。

3. めっき層の性能規定
・ASTM B633:鉄および鋼の電気亜鉛めっきの仕様(耐食性や厚さの基準を規定)。
・ASTM B698:めっき層の硬度試験(硬度計による評価)。
・ASTM F1941/F1941M:締結部品に適用される電気めっきの仕様。

4. 耐食性試験
・ASTM B117:塩水噴霧試験(Salt Spray Test)の標準試験方法。めっきの耐食性を評価するために使用される最も一般的な規格。
・ASTM G85:改良型塩水噴霧試験の規格。

■ めっきにおけるASTM規格の利用例
・自動車産業: めっき部品の耐久性を評価し、腐食に強い部品を採用。
・電子機器: 接触抵抗や電気伝導性を確保するために金めっきや銀めっきの品質管理を実施。
・建築材料: 亜鉛めっき鋼材の耐環境性を検証。
・航空宇宙分野: 軽量化と耐久性を兼ね備えた部品の表面処理基準を策定。

■ ASTM規格を活用するメリット
・国際的信頼性: ASTM規格は国際的に認知されており、輸出入製品の品質基準として使用可能。
・品質の一貫性: 規格に従うことで、製品間の品質ばらつきを抑制。
・試験結果の比較性: 標準化された方法で試験するため、異なる製品や工場間での性能比較が容易。

■ 関連する他の規格
めっき分野では、ASTM規格だけでなく、以下の規格とも併用されることがあります。
ISO規格: ISO 2081(電気亜鉛めっき)など。
JIS規格: JIS H 8610(電気めっき)など。
ASTM規格は、めっき工程の品質向上と市場の要求に応えるための重要な基盤を提供しています。企業や産業分野に応じて、必要な規格を適切に選択して運用することが重要です。

■ まとめ
製品の信頼性と品質を向上させるために、ASTM規格を継続的に維持することは非常に重要です。この取り組みにより、お客様に高品質な製品を提供できるだけでなく、市場での競争力をさらに高めることが可能になります。一方で、規格の維持には継続的なコストと適切な管理が求められるため、計画的な対応が欠かせません。

 藤田化工では、ASTM規格に関するご要望やお探しの規格がございましたら、ぜひお声がけください。私たちは、お客様のニーズを的確に把握し、規格取得に向けて全力でサポートいたします。皆様のご相談を心よりお待ちしております。

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